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最も身近ながんは大腸癌 WEBシンポジウム~他人ごとではありません、まずは知ることから~」をオンライン受講しました。
私が気になったり印象深かった内容のみ抜粋です。
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はじめに・総括
大腸がんとは
国立病院機構大阪医療センター 下部消化管外科科長 加藤 健志 先生
がんの統計 2023 がん情報サービス・2021年がん死亡率

・2019年がん罹患率

・大腸がんはいずれも上位
・高齢化により罹患者は増えているが、平均的には長く生きられる疾患となった
・今回のようなセミナー受講中は冷静に聞けても、実際に告知されたら冷静になれないのが普通
・医療者へ相談してもらうことが大事
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セッション1 検査・診断・内視鏡治療
あなたの大腸、大丈夫? ~検診・大腸検査のお話~
むらのクリニック 副院長 村野 直子 先生
・コロナ禍により検査受診控えによりがん発見数が減っている
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がん検診を受けてほしい
・年に1回の検便
・再検査を言われたり自覚症状(血便・便通異常・腹満・腹痛など)があれば内視鏡検査を受けてほしい
・精密検査の受診率は7割弱。指摘を放置しないでほしい
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セッション2 手術療法(全般)
絶対に治す!あきらめない大腸がんの腹腔鏡手術
りんくう総合医療センター 消化器外科部長 三宅 正和 先生
・開業医(かかりつけなど)からの紹介での対応
・がんだけでなく転移の可能性のある所属リンパ節を一塊にして切除
・「もう年やし手術は受けたくない」と言われる方もおられるが、がんが進行して死ぬというのは決して楽ではないことを知ってもらいたい。手術に限らず治療は進んでいる
・腹腔鏡後、初回外来まではアルコールと刺激物は控えるように、また激しい運動は2-3ヶ月控えるように伝えている
・食事に関してはいろいろ言われているが、惑わされるのではなく100%のものは無い。検診を受けることが大事
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セッション3 手術療法(最新話題)
人工肛門を回避する! ~直腸癌に対する術前治療とロボット手術~
国立病院機構大阪医療センター
下部消化管外科高橋 佑典 先生
・直腸がん術後の患者が重視すること
人工肛門が永久でないこと78%、がんが治ること76%、合併症がないこと74%
・腹痛・便秘・下痢・腹満など何らかの後遺症は80%の人に出る
・50%以上の人は術後10年以上、症状が残る
・放射線・抗がん剤による術前治療によってがんが消失することも
・ダヴィンチなどロボット手術の適用は症状ごと・病院ごとに判断。術式による優劣はない。症状によって採用する術式は異なる。
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セッション4 薬物療法
これからの大腸がん治療について
高知大学医学部 腫瘍内科学講座 教授 佐竹 悠良 先生
・AYA世代(15~39歳)の胃がん罹患率は下がっているが、大腸がんの罹患率は上がっている
・盲腸・上行結腸・横行結腸の右側(口側)のがんは高齢者に多く、下行結腸・S状結腸・直腸の左側(肛門側)のがんは若い世代で増加傾向
・検診で見つかるがんの6割は早期がん、自覚症状があり病院で見つかるがんの8割は進行がん
・緩和ケア(心・体の痛み)は手術・放射線・抗がん剤と同時進行
・標準治療は「現在利用できる最良の治療であることが証明されている、推奨される治療法」
・抗がん剤治療は数年前に比べても支持療法(副作用対策)が進んでいる。気になるこちは医療者へ相談してほしい
・がん相談支援センターも利用しましょう
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セッション2,3,4の手術動画で登場していた「自動吻合器」は初めて見まして衝撃的でした。でも勉強になりました。
検診の重要性・標準治療・がん相談支援センターの紹介もあり、強い安心感がありました。
どこの誰が書いているのか発信しているのかわからない食事法(食事療法とはあえて書いていません)などよりも、目の前にいる主治医や医療者へぜひ相談してもらいたいです。
今回は完全にオンラインのみの講座でしたが、こういった機会は基本的に東京や大阪での開催が多いので足を運ばずに受講できるのは本当にありがたい時代になったものです。
がんを取り上げるのは
精巣腫瘍患者友の会(J-TAG)でアドバイザーを務めているからです。アンテナが高くなってしまいます。
ただ、興味あるのは若年性のがんです。個人的にAYA世代という用語があまり好きではなく、働き盛り・子育て期のがんの情報を厚く集めたいと思っており、こうしてインプット・アウトプットに向き合っています。
皆さま、適切に検診を受けましょうね。
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