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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章36/44】アイスランド


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章35/44】イスラエル
36か国目はアイスランドです。

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■アイスランド p309-312

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の26.6%のアイスランドは公的年金給付費 対GDP比は2.1%。

平均寿命は日本(84.0歳)より1年と少し短い82.8歳です。

合わせて書いておきます。人口は約37万人ということです。

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受給要件

受給開始年齢は67歳。
基礎年金満額受給のための居住要件40年。これより短い場合は期間に応じて減額。16歳から67歳までの間に3年以上の居住期間が必要。


年金額の算定方法

・基礎的制度

基礎年金の満額は労働者の平均所得額6%に相当する年478344アイスランド・クローナ(1アイスランド・クローナ=1.0円として)=約48万円。物価または賃金の変動率で改定される。
逆算すると労働者の平均所得額は797万アイスランド・クローナ=約800万円。ちなみに本文冒頭には平均的労働者の所得額として920万アイスランド・クローナと記載がありました。

勤労所得と資本所得が平均所得額の31%相当額258万アイスランド・クローナを超えると減額開始、同53%相当額449万アイスランド・クローナを超えると支給停止。

めちゃめちゃミニマムな基礎的制度です。平均所得額の高さにも驚かされますが、その高さからも基礎的制度の低さが際立ちます。


・特定階層向け制度

補足年金として、支給最大額は単身者で平均所得額の18%に相当する151アイスランド・クローナ。
勤労所得と資本所得の額に応じて減額。


・強制加入の職域制度

すべての労働者が対象。加入義務者は16歳から70歳。
掛金の最低限度額は所得額の12%、被用者4%・事業主8%の負担。公共部門や一部の産業部門では事業主の掛金率が高くなる。
40年の拠出期間で従前所得の56%分の給付が目標。算定基礎となるのは加入期間中の平均賃金額で上限なし。

上限なしということで高齢期における最低限の所得補償という位置づけではないことがわかります。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

職域制度のみ65歳までの繰上げ可能、1年あたり7%減額。


・受給開始を遅らせる場合

基礎年金と補足年金は72歳まで繰下げ可能。1月ごとに0.5%増額、5年で最大30%。
職域制度は70歳まで繰下げ可能、1年あたり8%増額。


・育児(休業)の場合
・失業の場合

ともに略。ともに職域制度の記載なし。


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個人所得税と社会保険料

勤労世代と同様。


・年金所得への課税

特別な非課税措置なし。


・年金受給者に賦課される社会保険料

賦課なし。


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年金制度モデル化の結果:アイスランド
・2063年に67歳から受給開始

メキシコとチリに似ています。
極めて少額な基礎的制度のみ国庫負担ということで、公的年金給付費の対GDP比が低いことが理解できます。


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これもいつも書きますが、保険料拠出のない居住期間で給付されるものを社会保険の1つ公的年金保険の仕組みとして取り扱うことが比較になっているのかどうか比較して良いものなのかどうか悩ましいです。

あと、これだけ北緯の高い地域で非常に小国であることも踏まえ平均寿命が長いのも不思議です(偏見かもしれません)。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章37/44】アイルランドです。


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