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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章33/44】南アフリカ


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章32/44】チリ
33か国目は南アフリカです。

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■南アフリカ p444-446

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の9.6%の南アフリカは公的年金給付費 対GDP比の記載はありません。

平均寿命は日本(84.0歳)よりなんと20年も短い63.7歳です。
ちなみに65歳の平均余命は13.1年(78歳)、日本は22年(87歳)です。


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受給要件

受給開始年齢は男女とも60歳。
居住要件に基づく定額給付。資力審査あり。

1南アフリカランド=8.0円で計算します。


年金額の算定方法

・老齢年金

最大支給額は単身者で月額1695南アフリカランド=約13600円=年16.3万円、夫婦で2倍の月額3390南アフリカランド=約27100円=年32.5万円。
75歳以上は月額1715南アフリカランド=約13700円=年16.5万円へ増額。

所得額は単身者で73800南アフリカランド=約59万円未満、夫婦で倍未満であること。
資力審査は単身者で1056000南アフリカランド=約845万円、夫婦で倍までであること。

平均的労働者の所得額は119977南アフリカランド=約96万円とありました。一人当たり平均の1/6程度ということでかなり少ないのではないでしょうか。


・任意加入の私的年金

賃金額の15%が掛金。事業主と被用者で分担して負担(折半とは書かれていません)


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

60歳より前に請求できない


・受給開始を遅らせる場合

請求を先延ばしにしても特段の利益(割増)なし。


・育児(休業)の場合
・失業の場合

いずれも居住要件なので影響なし。


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個人所得税と社会保険料

・年金受給者への課税

65歳以上は現役世代よりも高い税の還付がある。


・年金所得への課税

受給者の所得額が課税基準額を下回る場合は課税されない。


・年金受給者に賦課される社会保険料

社会保障制度は税財源のため特別な社会保険料は存在しない。


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年金制度モデル化の結果:南アフリカ
・2056年に60歳から受給開始

極めて低い(最低限)の所得代替率です。
平均の半分の所得者でも30~35%程度のようです。

定額ですから日本の国民年金と同じようなグラフの形状です。ただし、財源が税だけですから税の仕組みがわからないと再分配の効果などはまったくわかりません。


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保険料負担の無い居住要件だけの老齢年金というのを他国と比較するのはまた難易度が高いです。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章34/44】ギリシャです。



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