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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章32/44】チリ


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章31/44】アルゼンチン
32か国目はチリです。

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■チリ p263-267

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の19.7%のチリは公的年金給付費 対GDP比は2.9%。

平均寿命は日本(84.0歳)より4年ほど短い79.9歳です。


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受給要件

受給開始年齢は男性65歳、女性60歳。


年金額の算定方法

・拠出建て制度

掛金率は賦課対象となる所得額(上限あり)の10%で、管理手数料が別途徴収。
上限は2018年12月時点では最低賃金額の7.5倍相当額で2,158,401チリ・ペソ(1チリ・ペソ=0.17円として)=約36.7万円=約440万円/年。

逆算で最低賃金での年収は約59万円。
ちなみに平均的労働者の所得額は970万チリ・ペソ=約165万円。

所得代替率の算定は男女別。


・特定階層向け給付と補足的給付

基礎連帯年金(PBS)は定額107304チリ・ペソ=約18000円。
補足的年金として連帯保証手当(APS)あり。APSの上限は317085チリ・ペソ=約54000円。


・最低額保証制度

被保険者期間20年。
70歳未満で132258.72チリ・ペソ=約22500円=約27万円/年。
70歳以上75歳未満で144614.74チリ・ペソ=約24600円=約29.5万円/年。
75歳以上で154299.05チリ・ペソ=約26200円=約31.5万円/年。

2023年までに段階的に廃止され、APSに置き換わる。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

支給額がAPSの上限の80%相当額以上、受給開始前10年間の所得の70%以上の所得代替率であれば何歳からでも受給開始可能。
特定職種の場合は最大10年間。

減額の説明はありませんでした。


・受給開始を遅らせる場合

認められると記述がありましたが割増などの説明はありませんでした。


・育児(休業)の場合

ワーキングマザーのために最長24週間の所得保障が受けられる制度あり。最初の18週は母親のみが取得可能。育休期間中の掛金10%分は育休給付から支払われる。


・失業の場合

連帯失業基金から支給される失業給付の10%分が年金掛金。


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個人所得税と社会保険料

・年金受給者への課税

一定の条件を満たせば年金資産のうち一部を引き出すことが可能。
引き出し分は最大で約164万円/年を上限として、その6倍まで非課税。
一括の場合は約658万円が上限。


・年金所得への課税

一般所得税と同率。
約11万円までは非課税、約98.6万円超は税率35%。


・年金受給者に賦課される社会保険料

受給額の7%を健康保険に拠出。
PBSや補足給付を受けている場合は免除。20年以上国内に居住する全国民のうち所得の低い80%に含まれる65歳以上の年金受給者は免除されている。


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年金制度モデル化の結果:チリ
・2061年に65歳から受給開始

グラフの形状はメキシコに似ているようで、フィンランド・イタリア・ポーランド・ポルトガル・トルコ・サウジアラビアにも似ています。
再分配機能を感じにくい仕組みです。


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1階部分は所得再分配機能があると書かれていますが、かなり小さな規模だと思われます。
条件を満たせば一時金としても引き出せる2階部分は1981年から個人別勘定の拠出建てということでいわゆる積立方式のようにも見えます。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章33/44】南アフリカです。


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