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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章31/44】アルゼンチン


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章30/44】ブラジル
31か国目はアルゼンチンです。

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■アルゼンチン p416-419

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の20.2%のアルゼンチンは公的年金給付費 対GDP比の記載なし。

平均寿命は日本(84.0歳)より7年半ほど短い76.4歳です。


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受給要件

基礎年金・付加年金(社会保険)ともに30年以上の就労期間で男性65歳、女性60歳から受給開始。

ちなみに現在は1アルゼンチン・ペソ=0.7円ほどのようですが、2007年以前は35円前後、2019年は2円前後ということで、とんでもない通貨安です。この本は2019年の情報なので記事では2円を使います。


年金額の算定方法

・老齢年金(基礎年金?)

2019年の支給月額5446.47ペソ=約10900円=約13.1万円/年


・付加年金(社会保険)

支給月額は全就労期間のうち直前10年の調整平均所得月額の1.5%。

平均的労働者の所得額は55万ペソ=約110万円とありましたので単純に12で割ると約9.2万円で、その1.5%は約1400円。
確かに「付加」というイメージの額です。


・高齢老齢年金

基礎老齢年金額の70%相当額に付加年金を加えた額。

最低支給月額11528.44ペソ=約23000円=約27.7万円/年、最大支給月額84459.47ペソ=約16.9万円=約203万円/年。

毎月支給+ボーナス的に月額の半額が6月と12月にも給付。ということで計13ヶ月分です。これまで書いた「/年」は12ヶ月分ですので違ってきますね。

支給額は税収・賃金指数・社会保障制度の歳入額を基準にして3月と9月に自動的に改定。通貨の価値が大きく変わって(下がって)いること、税収が基準になるという公的な保障の仕組みはある意味で怖いです。


・非拠出制の老齢年金(社会扶助)

支給月額9222.75ペソ=約18400円=約22.1万円/年


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キャリアの変動への対応

項目そのものがありませんでした。


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個人所得税と社会保険料

・労働者への課税

2018年、最低税率5%は25754ペソ=約52000円以下に課税、最高税率35%は412064ペソ=約82.4万円。

平均所得110万円ということでしたので、平均より少なくても最高税率ということでしょうか。


・労働者に賦課される社会保険料

被用者保険17%、内訳は統合年金システム11%・福祉事業3%・年金機構3%。
事業主負担23%、内訳は統合年金システム10.17%・福祉事業6%・年金機構1.5%・家族手当サブシステム4.44%・雇用基金0.89%


・年金受給者への課税

死亡・障害以外は勤労所得と同様に課税。


・年金所得への課税

課税されない。


・年金受給者に賦課される社会保険料

年金受給者には賦課されない。
就労している場合は雇用基金へ拠出11%。


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年金制度モデル化の結果:アルゼンチン
・2061年に65歳から受給開始

グラフの形状は日本にとてもよく似ています。基礎年金部分の形状はほぼ同じです。
ただし、上乗せ部分(日本でいうところの厚生年金)は所得代替率が異様に高いです。平均の半分程度の低所得者で約80%、平均の倍程度の所得者で65~70%あたりです。

公的年金給付費の対GDP比は記載がありませんが、相当に高いのではないでしょうか。繰り返しになりますが、諸々が不安定な国で税収が基準になるという公的な保障の仕組みは怖さしか感じません。


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通貨の価値が大きく変わっている(下がっている)ので、そもそもの財政が不安を強く感じるアルゼンチンです。
2018年のワールドカップはベスト16でしたが、直近の2022年は優勝ということで、次回のこの本の改定時には景気が良くて何か違っているかもしれないですね。そのくらい国としてサッカーへの情熱を報道で感じました。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章32/44】チリです。



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