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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章28/44】韓国


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章27/44】メキシコ
28か国目は韓国です。

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■韓国 p331-334

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の23.6%の韓国は公的年金給付費 対GDP比は2.9%。

平均寿命は日本(84.0歳)より1年と少し短い82.7歳です。


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受給要件

10年以上の保険料拠出期間で62歳から受給開始。
2033年に65歳へ徐々に引き上げ。


年金額の算定方法

・年金額の算定方法

2018年の所得代替率は保険料拠出40年間で45%。2008年から毎年0.5ポイントずつ低減し、2028年に40%へ。
年金額算定の所得額として月468万ウォン(1ウォン=0.95円として)=約44.5万円が上限。
60歳以上の者には保険料は賦課されず、新たな年金権の付与も行われない。

所得比例部分(日本でいうところの厚生年金保険)の所得代替率かと思います。


・特定階層向け制度(「基礎年金」)

65歳以上で国民年金(the National Pension)を含めた収入額が一定所得基準以下の場合「基礎年金(Basic Pension)」が受給できる。申請者の年齢・単身単位または夫婦単位の所得額(子の収入や資産は対象外)・資産によって判断。

月375000ウォン=約35600円未満で最大250000ウォン=約23800円。夫婦の場合はこの80%がそれぞれ支給。


・社会扶助

基礎生活保障(社会扶助)の受給要件は、世帯収入の基準および扶養義務者が存在しないこと。

韓国の基礎年金は日本でいうところの国民年金の免除制度、社会扶助は生活保護という位置づけだと受け取りました。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

2033年までに55歳から60歳へ引き上げ。1年あたり減額6%。


・受給開始を遅らせる場合

最大5年。1年あたり増額7.2%。

日本でいうところの在職老齢年金に近い制度として「現役老齢年金」あり。


・育児(休業)の場合

労働市場から離れる場合、免除が可能。

ただし「仕事の再開後に追加の保険料を支払うことによって被保険者期間を増やすことができる」とありますので、日本の育休中の免除のような仕組みではないようです。


・失業の場合

2016年導入の失業クレジットにより、失業給付受給中の場合、保険料の75%分を国が最長1年間支援し。被保険者期間に含まれる。反映は老齢のみで、障害・遺族は対象外。


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個人所得税と社会保険料

・年金受給者への課税

70歳以上は通常の人的控除(納税者と被扶養者1人につき150万ウォン=約143000円)に加えて、追加的な100万ウォン=約95000円の所得控除が適用。


・年金所得への課税

350万ウォン=約333000円以下は非課税。


・年金受給者に賦課される社会保険料

年金給付額の20%のみ医療保険料の算定基礎となる。


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年金制度モデル化の結果:韓国
・2061年に65歳から受給開始

スイスとカナダに似ています。基礎的制度の手厚さがスイスに似ていて、上乗せ部分の傾斜がカナダに似ています。
負担の上限が平均所得額の約1.2倍あたりなので、低所得者(減金の半分など)と高所得者(平均の1.5~2倍以上)との所得代替率の差が大きいです。


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公的年金給付費の対GDP比が異様に低い2.9%の韓国です。低すぎるのも違和感あります。

社会扶助の項目が含まれていると、公的年金保険(この本では老齢年金)は社会保障の一部分であることを強く認識させられます。
高齢期の生活保障は年金だけではありません。このことをしっかり理解したうえで各国比較を確認しないと、もうわけがわからなくなります。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章29/44】サウジアラビアです。


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