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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章25/44】ハンガリー


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章24/44】トルコ
25か国目はハンガリーす。

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■ハンガリー p304-308

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の33.4%のハンガリーは公的年金給付費 対GDP比は9.2%。

平均寿命は日本(84.0歳)より7年半短い76.5歳です。


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受給要件

受給開始年齢は2018年63.5歳、2022年にかけて65歳へ引き上げ。
受給開始年齢に到達し、一定以上の就労期間が必要。
最低額保証制度を伴う所得比例年金は就労期間20年以上必要。
最低年金の受給資格が伴わない部分年金は15年以上の就労期間。


年金額の算定方法

・所得比例年金

加入期間の最初の10年は平均所得の33%分として算定。
以降25年目までの分は2%、同36年目までの分は1%、同40年目までの分は1.5%、40年超は2%が加算されて算定。

累計してみます。
10年 33%
25年 63%
40年 80%
50年 100%
就労50年で平均所得の100%ということのようです。

手取り賃金額が算定対象の所得額。過去分は国全体の平均所得額の伸びに応じて再評価。受給開始後は消費者物価の変動率で調整。


・最低額保障制度

最低給付額は月額28500フォリント(1フォリント=0.4円)=約11400円、年13.7万円。保証額は2008年1月以降改定されていない。
受給開始年齢に達しても受給要件を満たしておらず他に十分な収入がない人は税を財源とした資力審査付きの老齢手当の受給を申請できる。

日本でいうところの生活保護です。これまでの各国でも出てきていまして、公的年金の本ですが他の社会保障制度がしっかり含められているので情報の比較に注意が必要です。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

40年以上の受給資格期間があって有償労働を停止した女性は年齢にかかわらず早期受給可。この期間には妊娠・出産手当、子育て料、家庭育児手当、療育援助給付および看護科の受給期間が含まれる。ただし、有償労働は32年以上必要。看護科がある場合は30年以上。

看護科(看護師?)が優遇される条件の1つというのが興味深いです。看護と幼保などが対象になるのは良さそうな施策ではないでしょうか。


・受給開始を遅らせる場合

報酬比例年金は可能。1月ごとに0.5%増額。
長期の就労期間があれば最終的な年金額が平均所得月額を上回ることもある。

そもそも50年就労で100%ですし、日本でいえば仮に75歳繰下げで考えると逆算で所得代替率54~55%あれば同じ話ということかと思います。


・育児(休業)の場合

早期受給のところで出てきた子育て料、家庭育児手当、療育援助給付の期間について詳細な説明があります。それぞれに年金受給期間にまつわる詳細な条件があり、こんなのしっかり考えて活用している人はいるのでしょうか。公的年金の説明の倍くらいの文章量が使われていました。


・失業の場合

失業期間は算定基礎となる就労期間に算入。

このあたりが日本とは大きく異なるところですよね。失業率の違いなども大きいように感じます。


・求職者への給付

公的年金とは関係のない、日本でいるところの雇用保険の求職者給付基本手当の解説です。


・年金受給前の求職者支援金

高年齢の失業者にとっては公的年金に変わるものとして社会保障の重要な位置づけであることも理解しているつもりです。でも、これ社会保障ではなく年金の本なのですよね…本当にわからなくなります。


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個人所得税と社会保険料

・年金受給者への課税

追加的な税の軽減措置なし。


・年金所得への課税

非課税。


・年金受給者に賦課される社会保険料

賦課されない。
他の所得があれば賦課あり。


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年金制度モデル化の結果:ハンガリー
・2058年に62歳から受給開始

フィンランドイタリアポーランドトルコと似た形です。

所得代替率はトルコ約70%、ハンガリー約60%というところです。


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平均的労働者の所得額410万フォリント=約164万円とはいえ、最低保証額が14万円弱では生活のしようがありませんよね。日本でいえば40~50万円ほどという考え方だと思います。
公的年金以外の仕組みがどうなっているのか気になるところですし、公的年金だけの比較は本当に難しいですよね。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章26/44】チェコです。



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