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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章15/44】イタリア


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章14/44】ニュージーランド
15か国目はイタリアです。

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■イタリア p321-325

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の39.5%のイタリアは公的年金給付費 対GDP比は16.2%。

平均寿命は日本(84.0歳)とほぼ変わらない83.2歳です。


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受給要件

20年の拠出期間があり、2018年時点では66歳7ヶ月に到達していること。
65歳時点の平均余命に合わせて2019年までは3年ごと、2021年以降は2年ごとに受給開始年齢が自動的に見直される。これにより2019年には67歳に達している予定。

失業率が高く、日本を除けば先進国で債務の多いイタリアですが、平均寿命が長いのは温暖な気候だったり明るく陽気なことが(勝手なイメージ)関係するのでしょうか。


年金額の算定方法

・所得比例制度

概念上の個人別勘定を基本としている。掛金率は33%で約1/3を被用者、2/3を事業主負担。
生涯の累積拠出額を名目GDP成長率(5年移動平均)で評価して換算係数(57~70歳があり65歳5.326%)を基に算定。

掛金が賦課される賃金額の上限は年101427ユーロ(1ユーロ=130円として)=約1319万円。下限は週202.97ユーロ(1ユーロ=130円として)=約26400円=約137万円/年で、最低年金の40%ということで最低年金は約66000円/週=年52週計算で約343万円。

日本の厚生年金保険料率18.3%なんてかわいさを感じてしまう33%。しかも事業主負担2/3という大きな負担が大きな失業率につながっていたりするのでしょうか。


・最低額保証年金

給付建ての旧制度では2018年で月額507.42ユーロ=約66000円の最低水準以下の場合、年額6596.46ユーロ=約86万円に達するまで社会的扶助(最低年金補足給付)を上乗せ。拠出建て(新制度?)には適用なし。

多くの先進国でみられる気軽な社会的扶助、日本でいうところの生活保護に近しい給付です。公的年金と一体で触れられているところが日本との違いを毎回強く感じさせられます。


・特定階層向け制度

拠出制(※)の受給権がない場合、資力審査ありで65歳以降に非課税の老齢手当と呼ばれる社会的扶助給付あり。単身者で年5889.00ユーロ=約77万円。
※ 拠出建てとの違いがあるかどうかは不明


・任意加入の私的年金

私的年金基金に加入している労働者はまだ少数。固定利子率1.5%+消費者物価指数年間上昇率の75%相当を利子として付与。

こんな有利な定期預金みたいなのがあるのはすごいですよね。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

男性42年10ヶ月以上、女性41年10ヶ月以上の保険料拠出期間で62歳から減額なしの受給開始可能。

日本でいうところのいわゆる高卒からずっと漏れなくというイメージかと思います。平均余命の長い女性に有利な制度ですね。


・受給開始を遅らせる場合

可能の記載がありますが、年齢や増額の記載なし。


・育児(休業)の場合

子が1~2人いる女性は換算係数が有利になり、かつ算定使用年齢に1年を加える。子3人以上は2年を加える。

子の人数により将来受け取りときに加算される興味深い仕組みです。


・失業の場合

手厚い解説が印象的です。
完全失業率が高位推移するイタリアならではでしょうか。
<参照リンク> 国際比較統計:完全失業率 独立行政法人労働政策研究・研修機構


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個人所得税と社会保険料

・年金受給者への課税

年額7500ユーロ=約98万円(75歳以上は8000ユーロ=約104万円)未満の場合は所得税の賦課なし。


・年金所得への課税

特別な減税措置なし。


・年金受給者に賦課される社会保険料

賦課なし。


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年金制度モデル化の結果:イタリア
・2067年に71歳から受給開始

フィンランドの形と一緒です。
フィンランドの所得代替率は約60%でしたが、イタリアは約80%です。一定です。ただし、フィンランド賃金の上限記載がありませんでしたが、イタリアにはありました。それでも同じ形ということで、平均所得の2倍をどこまで超えてから上限になるのかが気になりました。


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G7に含まれるイタリア。公的年金給付費の対GDP比16.2%ということで巨額すぎる分配ではないでしょうか。もっともっと世界ニュースなどで取り上げられてほしいです。興味津々になりました。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章16/44】オランダです。



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