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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章14/44】ニュージーランド


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章13/44】インドネシア
14か国目はニュージーランドです。

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■ニュージーランド p355-358

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の28.3%のインドは公的年金給付費 対GDP比は4.9%。

平均寿命は日本(84.0歳)より2歳短い82.0歳です。


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受給要件

20歳以降10年間(50歳を過ぎてからの5年間を含む)の居住年数があれば65歳以降受給可能。


年金額の算定方法

・基礎的制度

2018年4月以降、単身者週463.04NZドル(1NZドル=80円として)=約37000円=52週換算で約192万円/年。大きく感じます。
これは平均総(グロス)所得の約40%相当。逆算すると平均総(グロス)所得は約482万円。

給付額は消費者物価指数に連動して毎年改定し、税控除後の週当たり賃金とも連動。
2018年に年金受給者へ冬季エネルギー給付制度が導入。扶養する子のいない単身者に週20.46NZドル=約1640円が2019年からは5/1から10/1まで。

資産と収入の限られた高齢者には週100NZドル(2018年4月時点)=約8000円を超える住居費の70%を住宅補助として地域・世帯構成ごとに設定された上限額の範囲で助成。

日本でいうところの生活保護的な保障が公的年金の基礎的制度と同じ位置づけということで、先進国の制度に戻ってきた感覚です。保障の考え方は国によってさまざまであることを改めて感じさせられます。


・任意加入の私的年金制度

職域年金制度 被用者の加入率は2003年13.89%から2012年9.98%へ低下。税制などのい政府補助なし。

政府が補助を行う任意加入の直接拠出型の退職貯蓄制度(キウイ・セイバー)が2007年7月に導入。2018年3月末時点で18~64歳のニュージーランド人の約80%が加入。
最低掛金率は賃金額の6%で労使折半。被用者は4,6,8,10%を選択できる。年間最大521NZドル=約41700円のマッチング拠出を政府から受けられる。65歳以降で分割受取ではなく一時金として引き出すことができる。死亡・重病(障害とは書かれていません)以外で、初めて住宅購入・経済的困窮・他国への永住の場合は早期引き出し可能。

労使折半は厚生年金のようであり、でも一時金での受け取りや日本式ではないマッチング拠出からは確定拠出年金(401k)色が強いのではないでしょうか。
こういう仕組みが「年金」として記載されているということは基礎的制度が日本でいうところの生活保護にも一部入り込んでいるからということかなと感じます。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

65歳よりも前に受け取れない。
ただし、65歳以上の者は夫婦の所得額について所得審査を受けることで受給資格を有しない(65歳に達していない)配偶者の分を含めて受け取れる。


・受給開始を遅らせる場合

2018年9月時点で65歳以上の者の24.1%が就労。繰下げや増額の記載なし。


・育児(休業)の場合
・失業の場合

公的年金の支給に影響を与えることはないと書かれています。居住年数で決まる基礎的制度のことを示していると思われます。


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個人所得税と社会保険料

・年金受給者への課税

高齢者向けに特化した税の軽減措置なし。
65歳以上を対象としたスーパーゴールドカードプログラムのカード所有者は公共交通機関にオフピーク時の無料旅行・14000超の店舗割引を受けられる。

オフピーク時、いいんじゃないでしょうか。人が動けば消費が生まれます。ただ、こういう内容が公的年金のページで書かれることには違和感あります。


・年金所得への課税

公的年金(ここでは老齢年金限定?)は個人所得税の課税対象。


・年金受給者に賦課される社会保険料

公的年金制度は一般財源でまかなわれており、特段の社会保険料は賦課されていない。
保険料なしということはとんでもない財源が必要となっているのではないでしょうか。消費税?


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年金制度モデル化の結果:ニュージーランド
・2061年に65歳から受給開始

日本の基礎年金および英国の形と一緒です。
公的部分は居住年数だけが要件の定額なので受給水準が一定です。所得代替率は平均所得の50%程度で80%、同80%程度で50%、同160%程度で25%、同200%で20%といったイメージです。


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高齢化率が上がったとき、どういった対応になるのか将来が気になる仕組みです。
消費税(付加価値税)は2022年15%ということで、これでまかなえるのでしょうか。

<参考> 税の国際比較 国税庁

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章15/44】イタリアです。


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