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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章12/44】インド


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章11/44】中国
12か国目はインドです。

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■インド p427-431

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の11.3%のインドは公的年金給付費 対GDP比の記載情報なしです。

平均寿命は日本(84.0歳)より約15歳短い69.3歳です。


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受給要件

2011年時点で全労働者の12%(約5800万人)が対象。
2004年以降に就職した公務員は拠出建て方式の新年金制度(NPS)に加入。


年金額の算定方法

・被用者退職準備基金制度(EPF)

所得比例型で受給開始年齢55歳
年金としての支給ではなく55歳時に全額支給。積立型。
結婚・住宅資金返済・生命保険商品の購入・疾病で部分的な引き出しが可能。

月額賃金15000インドルピー(1インドルピー=1.8円として)=約27000円(年32.4万円)を超えると、被用者掛金は12%、事業主掛金は3.67%
20人以上の労働者を雇用する事業所に適用


・被用者年金制度(EPS)

所得比例型で受給開始年齢58歳
10年以上の保険料拠出歴が必要。10年未満の場合、一時金で支給。

2014年9月以降、月額基本賃金15000インドルピーを超えて新規に拠出不可になった。
事業主負担8.33%(最大で約1250円)、中央政府が1.16%(最大で約180円)分を補助金として拠出。

年金月額=(賃金額×従事年数)÷70ということで、例えば15000インドルピー×30年とすると約11600インドルピー=約21000円。
2014年9月以降、月額1000インドルピー=約1800円が最低額保証。
想定される所得代替率の最大値は約50%。


・社会的セーフティーネット

存在しない。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

EPSは10年以上の保険料拠出年数で50歳から受給可能。年3%の減額なので最大24%の減額。


・受給開始を遅らせる場合

不可。


・育児(休業)の場合
・失業の場合

項目そのものの記載がありません。


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個人所得税と社会保険料

・労働者への課税

社会保険料控除は150000インドルピー=約27万円が上限。


・労働者の賃金への課税

年間所得25万インドルピー=約45万円までは非課税。5%・20%、そして100万インドルピー=約180万円超で30%。1000万インドルピー=約1800万円を超えるばあい。10%分追徴課税(=40%?)
若い国だからでしょうか。25万インドルピー超には教育目的税4%あり。


・年金受給者への課税
・年金所得への課税

EPFの受給は全額非課税。年金にも教育目的税4%あり。
80歳超は非課税枠が大きくなる。


・年金受給者に賦課される社会保険料

65歳以上で2万インドルピー以下の健康保険料が控除できると別で書いてあるのですが、年金受給者には社会保険料は賦課されないとも書かれています。よくわからないです。


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年金制度モデル化の結果:インド
・2054年に58歳から受給開始

平均所得の1.7倍あたりまで所得代替率は変わらず、それを超えると下がります。
いわゆる先進国や社会保障の手厚いと言われる北欧の国々にも同じグラフの形を見ないです。


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社会保障(社会保険)としての公的年金制度だと思うのですが、これまでの12か国で最も保障の仕組みを感じない書かれ方でした。積立が意識づけされ、課税について手厚く説明があります。生活保護的な仕組み(社会的セーフティーネット)は存在しないと書かれ、世界第二位の人口をほこる国ですが、平均寿命の短さと加入率の低さからも公的年金の仕組みはまだ実感がない社会(途上国・新興国)なのかなと感じます。

友人の会計士がインド在住で仕事をしています。日々の発信を見ていると個人レベルでは特に納税意識の弱い国というのが伝わってきます。近い将来に中国を抜いて世界第一位の人口になると言われているインドです。遠い将来において平均寿命が延び、高齢化が進んだとき、諸々大丈夫なのか不安になるところです。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章13/44】インドネシアです。


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