fc2ブログ

図表でみる世界の年金 2019年版【第10章11/44】中国


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

220706_01

他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章10/44】フィンランド
11か国目は中国です。

-----
■中国 p424-426

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の18.5%の中国は公的年金給付費 対GDP比の記載情報なしです。

平均寿命は日本(84.0歳)より7歳以上短い76.7歳です。
平均的労働者の所得額は82461人民元とあり、1人民元=16円として計算すると約132万円です。


---
受給要件

受給開始年齢
・男性 60歳
・ホワイトカラー女性 55歳 
・ブルーカラー女性 50歳


年金額の算定方法

・基礎的制度
15年以上の保険料拠出期間により、支給額は個人所得額と省単位の平均所得額の平均値の1%相当額。
受給開始後の給付額改定は賃金と物価の上昇率を混合した率で近年の改定率は10%程度。

いわゆる積み上げ式の計算方法でしょうか。計算方法が想像つきませんが、仮に個人所得額が250万円として平均所得が132万円としたら、その平均値は191万円で、その1%は19100円なのですが、これが年額か月額かも文章では読み取れないです。月額でしょうか。


・拠出建て制度(積立方式または概念上の個人別勘定)
被用者は賃金額の8%分を個人別勘定に拠出。受給開始年齢と国全体での平均余命に基づき政府が設定した係数で年金資産額を除する形で換算。

例えば60歳の月単位係数は139と記載されています。
平均賃金132万円で35年働いた場合、拠出額の総額は370万円なので約2.7万円/月という計算かと思います。同じ条件を日本に当てはめてみると、拠出423万円で厚生年金だけでいえば約2.1万円/月ですが、基礎年金を含めて良ければ約7.8万円です。こういった計算が適切かどうかは本書の条件だけではわかりません。


---
キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合
特定の産業や業務で肉体労働に従事した場合、男性55歳・女性50歳から請求できる。

・受給開始を遅らせる場合
遅らせることは可能だが増額なし。

・育児(休業)の場合
・失業の場合
項目なし。


---
個人所得税と社会保険料

・労働者への課税
基本的な所得控除額は42000人民元=約67.2万円。
社会保険料だけでなく住宅積立掛金が控除の対象。

最高税率は80000人民元=約128万円超が対象の45%。
おおよそ平均所得以上は最高税率ということかと思います。


・被用者に賦課される社会保険料
改正後の新制度で基礎的制度として収入の最大20%を保険料として拠出。
対象賃金の上限は平均の3倍(約396万円)まで。


・年金所得への課税
・年金受給者に賦課される社会保険料
特になし。


---
年金制度モデル化の結果:中国
・2056年に60歳から受給開始

基礎的制度も保険料率で受給額が決まるので、基礎・拠出の両方ともが日本でいう厚生年金のようなイメージです。自身の所得額と省平均との平均を取るという仕組みで再分配が構築されていると読み取りました。

平均所得が高くない分、所得代替率は高く設定されています。中国は近い将来から日本を超える少子超高齢化が一気に進むということで、平均寿命を考えると受給開始年齢は2056年時点でも妥当なのかもしれませんが、他の国のように変わっていくのではないでしょうか。また、公的年金給付費の対GDP比情報の記載なしというのも中国らしいと思ってしまいました。


-----

人口の多さ・国土の広さともに日本とは比べ物にならないため、省ごとの個人別勘定という記載が印象的です。
共産国家での国民一人ひとりの情報管理は安心して任せられる、信頼性の高い状態なのでしょうか。個人別勘定は人口が多いことで不安を感じるところです。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章12/44】インドです。


コメント

非公開コメント

トラックバック