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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章9/44】ノルウェー


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章8/44】スウェーデン
9か国目はノルウェーです。

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■ノルウェー p359-363

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の29.6%のノルウェーは公的年金給付費 対GDP比6.6%。
平均寿命は日本(84.0歳)より約2歳短い82.2歳です。


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受給要件

日本の基礎年金に近い保証年金は居住期間で算定され、16歳から66歳までの間に40年以上で満額、3年以上で受給権あり。40年未満の場合は比例的に減額。


年金額の算定方法

・所得比例年金

13歳から75歳までの労働で算定。保険料は算定基礎となる所得額の18.1%。
2018年の平均95800ノルウェー・クローナ(1ノルウェー・クローナ=13円として)=約125万円を基礎額として、新所得比例年金制度における上限は7.1倍=約884万円。フルタイム労働者の平均賃金は596477ノルウェー・クローナ=約775万円のため、上限は平均賃金の1.14倍。
2011年から保険数理的な中立性に基づき、62歳から75歳の間での柔軟な年金受給開始の仕組みが導入、平均余命に基づく調整の仕組みも導入。

受給開始後の毎年改定は賃金変動率から0.75%定率分を減じる。マクロ経済スライドのようなイメージですね。


・保証年金

所得審査あり。所得比例年金受給額の80%相当分が保証年金支給額から減じられる。単身の平均受給額は2018年192383ノルウェー・クローナ=約250万円で平均所得の32%。
支給額は賃金変動率によって改定されるが、67歳時点における平均余命の変動も考慮して調整。

はっきりと書いてあってこれまでの国よりわかりやすいです。


・拠出建て制度

2006年以降、賃金額の少なくとも2%分を事業主が強制拠出。基礎額の12倍(=約1494万円)までが対象。


・任意加入の私的年金制度

非強制型もあり。


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キャリアの変動への対応

・早期受給開始の場合

被用者のおよそ2/3が1989年導入の協約早期引退スキーム(AFP)を利用可能事業主のもとで就労。62歳の引退と受給のために、収入の約4.2%を62歳まで蓄積可能。

早く辞めたければそのための積立をしておく必要があるという何とも合理的というかそれで良いのかわからなくなります。


・受給開始を遅らせる場合

割増率の記載はありませんでした。


・育児(休業)の場合

6歳未満の子や障害・病人・高齢者の介護をする者には基準額の4.5倍431100ノルウェー・クローナ=約560万円の所得(平均賃金の約72%)があったとみなす。


・失業の場合

期限の記載はありませんでしたが、失業前所得での記録(年金クレジット)付与。


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個人所得税と社会保険料

・年金所得への課税

勤労収入に比べて年金給付には特別な低い課税規則を適用。
年金を受給しながら就労することがより割に合うように2011年に税制改正。


・老齢年金と早期年金の受給者への課税

197706ノルウェー・クローナ=約257万円未満は非課税。


・障害年金受給者

賃金収入と同様に課税。
これびっくりです。日本は非課税です。


・年金受給者に賦課される社会保険料

賃金収入の課税率8.2%に対して、年金収入は5.1%適用。


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年金制度モデル化の結果:ノルウェー
・2063年に67歳から受給開始

定額ではなく所得比例が主たる年金制度のようで、グラフがわかりやすいです。シルエットは米国に似ています。


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育休の説明で「母親に変わって父親を年金の算定基礎となる所得額の割り増し対象者と申請してもよい」という記載があり、いわゆる専業主婦(夫)的な所得の低い側の配偶者に権利を移すことができる話なのですが、これも親が育児に協力できている前提だと感じます。パートナーがいることで得られるメリットがある仕組みがあること、やっぱりそうですよね。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章10/44】フィンランドです。


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