fc2ブログ

図表でみる世界の年金 2019年版【第10章4/44】イギリス


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

220706_01

他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章3/44】ドイツ
4か国目はイギリス(英国)です。

-----
■イギリス(英国) p406-410

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の32.0%のイギリスは公的年金給付費 対GDP比6.2%。
平均寿命は日本(84.0歳)より約3歳短い81.1歳です。

英国って若い国だったのですね。ドイツに近しい人口構成(比率)だと勝手に思ってました。米国とドイツの中間あたりの65歳超人口と現役世代人口比率です。


2016年4月6日に新しい国家年期制度が導入。それ以前は日本に近しいと思われる定額の基礎年金・所得比例の国家第二年金の2階建て。新制度は定額給付で経過措置あり。
新旧ともに大規模な任意加入の私的年金制度によって補完という仕組みのようです。

---
受給要件

年金額の算定方法
・基礎的制度および国家年金制度
・職域の私的年金制度
・特定階層向け制度

旧制度は10年の最低拠出期間を満たせば2028年以降は67歳受給開始。30年に満たない場合、基礎年金は比例的に減額(日本の国民年金と同じ?)

2018-2019年、単身者の基礎年金満額は週125.95ポンド、1ポンド=150円として約18900円/月=約98万円/年。
新制度の場合、週164.35ポンド=約24700円/月=約128万円/年。基礎年金が大きく増えています。


2018年3月以降、すべての事業主は22歳以降の給与所得1万ポンド以上で職域年金制度へ自動的に加入させる法的義務があります。2019年4月以降の最低掛金は所得の8%。
厚生年金とどれだけ違うのかがわかりませんが、まさに適用拡大です。年収要件が日本より少し高いですが、これは超重要です。


すでに受け取っている人をカバーすることも踏まえて、2つの制度があります。

保証クレジット
・単身者は週163ポンド(同24450円)=約127万円/年、夫婦は週248.8ポンド(同37320円)=約194万円/年を下回っている受給者
・重度障害保有者
・介護責任を負っている者
・一定の住居費を負担する者

貯蓄クレジット
・旧制度での受給開始者のみが対象
・一定の老後の備えを行った65歳以上の者
・単身者は週13.4ポンド(同2010円)=約10万円/年、夫婦は週14.99ポンド(同2250円)=約11.7万円/年を上限に支給


---
キャリアの変動への対応
・早期受給開始の場合
・受給開始を遅らせる場合
・育児(休業)の場合
・失業の場合

繰上げ受給は不可。
繰下げ受給の増額は1年あたり旧制度10.4%(5週単位1%)、新制度5.8%(9週単位1%)。

失業期間
給付と扶助を受けた場合、基礎制度を拠出したものとされるようです。日本だと雇用保険の基本手当(失業保険)を受け取ってる期間の国民年金保険料は免除できず納付が必要です。


---
個人所得税と社会保険料
・年金受給者への課税
・年金所得への課税
・年金受給者に賦課される国民保険料

これまでの3か国は「年金受給者に賦課される社会保険料」という表現でした。


---
年金制度モデル化の結果:イギリス
・2064年に68歳から受給開始

相対的年金給付水準のグラフの形は日本や米国のように緩やかに一定増えていくのではなく、またドイツのように途中(平均の1.5倍強あたり)でずばっと止まるのでもなく一定です。
平均所得が少なかろうが多かろうが低い水準で一定です。これまでの3か国とは明らかにことなります。


-----

金融においては英国の制度を参考に語られるケースが多いように感じています。
NISA(少額投資非課税制度)は英ISA(個人貯蓄口座)を参考にしていますし、任意加入部分(私的)制度に厚いのでしょう。そういった背景もあって公的年金給付費 対GDP比6.2%という低さなのかもしれません。
と考えると、英国よりも公的な仕組みが手厚く、英国を参考に上乗せ部分を作り上げている日本。上乗せはまだまだ完成形には遠いですが、これが整うと世界的にもかなり有利なのだと受け取れるのかもしれません。


ちなみに2018年7月の厚生労働省資料「諸外国の年金制度の動向について」にイギリスの記載があります。
p6,10,16,19,25,28,32あたりです。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章5/44】フランスです。



コメント

非公開コメント

トラックバック