fc2ブログ

図表でみる世界の年金 2019年版【第10章3/44】ドイツ


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

220706_01

他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章2/44】アメリカ(米国)
3か国目はドイツです。

-----
■ドイツ p295-299

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%。
65歳超人口が現役世代人口の36.5%のドイツは公的年金給付費 対GDP比10.1%。
平均寿命は日本(84.0歳)より約3歳短い81.1歳です。


---
受給要件

年金額の算定方法
・所得比例制度
・社会扶助
・任意加入の私的年金制度

5年以上の保険料拠出期間があれば65歳6~7月から受給開始だが、受給開始の移行期間中で1964年以降生まれ(2019年時点で55歳)の人は67歳から。

年金水準は東西ドイツで異なり、東ドイツを西ドイツの水準まで調整する法律が2017年に制定され、2024年以降は違いがなくなるそうです。なるほど、こういった過去の清算が残っていたのですね。

日本の生活保護的な位置づけと考えられる高齢期の「補助的な資力審査付き給付」は2017年あたり1人平均9768ユーロ、1ユーロ=130円だと約127万円なので月10万円ほどの補助給付。


---
キャリアの変動への対応
・早期受給開始の場合
・受給開始を遅らせる場合
・育児(休業)の場合
・失業の場合

繰上げ受給は63歳から可能。年あたり3.6%の減額率ということは月0.3%で、日本の2021年度まで0.5%(2022年度以降0.4%)に比べて減額率が低く、大きなデメリットになりにくい印象を受けました。
反対に繰下げは月0.5%の増額で、日本に比べて率が低く、何歳まで繰下げできるのかわかりませんでしたが、大きなメリットになりにくい印象です。結果的に、支給開始年齢からそのまま受け取るという人が多いのではないでしょうか。

育休
・10歳までの子がいて就労する期間
・10歳以上の子を2人以上養育する期間(就労の有無を問わない)
この期間に基づく年金額は50%増。ただしポイント制なので、平均所得を1年金ポイントとし、加算は最大0.33ポイントであり上限は1ポイントなので、収入が少ない場合を補う保障の意味が強いと感じました。日本の標準報酬月額維持かつ労使ともに保険料負担なしのほうが手厚いです。ドイツの話からは外れますが、この面でも適用拡大の重要性を認識させられます。

失業期間
日本では国民年金に切り替わりますが、ドイツでは失業前賃金の80%で6ヶ月~24ヶ月まで失業保険から年金制度へ保険料を拠出。


---
個人所得税と社会保険料
・年金受給者への課税
・年金所得への課税
・年金受給者に賦課される社会保険料

TTE(課税・課税・非課税)からEET(非課税・非課税・課税)へ移行期間中、2018年時点で年金受給額のうち76%が課税対象、2040年までかけて全額課税となるが、現状で138ユーロ(同17940円)まで非課税措置とあります。年たったのそれだけの非課税で月だとしても年20万円ほどだけです。日本の公的年金等控除の大きさが際立ちます。ということで合っているのか気になる内容でした。


---
年金制度モデル化の結果:ドイツ
・2063年に67歳から受給開始

相対的年金給付水準のグラフの形は日本や米国のように緩やかに一定増えていくのではなく、平均の1.5倍強あたりでずばっと止まります。それに合わせて、所得代替率のグラフの形は日本や米国のように緩やかな逓減ではなく、同じく平均の1.5倍強あたりまでは一定、それ以上の所得の方々は大きく率が下がります。明らかに違っていて興味深かったです。


-----

何度も登場したのは「45年間の被保険者期間」。

日本でいえば高卒・専門学校卒で18歳から63歳もしくは20歳から65歳という条件を満たせば、67歳からではなく65歳から受け取れたり繰上も減額なしだったり特徴的でした。

日本だと厚生年金44年以上加入で特別支給の老齢厚生年金に特殊な仕組みがありましたが、60歳の44年=16歳から、64歳の44年=20歳から、それぞれ漏れなく厚生年金の被保険者ありの人ってどのくらいおられるのでしょうか。そんなデータも公表されているのか、調べたことないです(すみません


ちなみに2018年7月の厚生労働省資料「諸外国の年金制度の動向について」にドイツの記載があります。
p6,10,12,14,16,17,19,25,29,32あたりです。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章4/44】イギリス(英国)です。



コメント

非公開コメント

トラックバック