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図表でみる世界の年金 2019年版【第10章2/44】アメリカ


図表でみる世界の年金OECD/G20インディケータ(2019年版) 2021年11月12日初版第1刷発行 を読みました。

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他国の状況を知りたい目的で購入しましたので第10章「図表でみる世界の年金2019:国別プロフィール」から国別で紹介しています。全44か国あります。

前回の記事はこちら → 図表でみる世界の年金 2019年版【第10章1/44】日本
2か国目はアメリカ(米国)です。

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■アメリカ(米国) p411-415

65歳超人口が現役世代人口の46.2%に達する日本の公的年金給付費 対GDP比は10.2%です。
65歳超人口が現役世代人口の28.4%のアメリカは公的年金給付費 対GDP比7.1%。

先進国で唯一人口の増えている米国ですが、これが増えなくなり減っていく時代が来たとき、日本よりも大変なことになったりしないか引っかかりました。受給開始は67歳で、日本より平均寿命が5年以上も短く、また違った景色になるのかもしれないですけれど。
というのが第一印象です。


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受給要件

年金額の算定方法
・所得比例制度
・特定階層向け制度
・任意加入の私的年金制度

イメージと異なるように思いますが、所得の多くない人の所得代替率は日本よりも高く、所得が多い場合は日本よりも低いです。再分配が日本よりも強いということでしょう。
年金計算上、日本でいうところの最大で年1230万円(=月65万円+賞与150万円×3回)である収入の上限は128400米ドルということで、1ドル=100円で考えれば同等、130円で考えれば約1670万円です。

興味深いのは「全就労期間のうち再評価後の所得額が最も高い35年間の平均所得額をもとに算定(中略)所得額がゼロの年も、必要な場合にはこの35年間に含まれる」という仕組みです。
少ないのを加味しないというのはインパクト強いです。日本は積み上げ式なので短い期間の低い収入でもきちんと老齢年金には反映されます。

生活保護のような社会扶助の仕組みについての紹介は無く、基礎的制度(国民年金・基礎年金)はありません。ただし、「特定階層向け制度」という低年金者への強い保障があるようです。資力要件が厳格なので生活保護に近いように感じました。


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キャリアの変動への対応
・早期受給開始の場合
・受給開始を遅らせる場合
・育児(休業)の場合
・失業の場合

何度も出てきた用語は「夫婦」。夫婦の場合の各種基準がいくつも紹介があり、日本だったら単身者への差別とまではいかなくても現代における家族のあり方などうるさい時代ですので、米国はいわゆる保守的な考えに寛容なのかなと感じました。


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個人所得税と社会保険料
・年金受給者への課税
・年金所得への課税
・年金受給者に賦課される社会保険料

そして何よりも、保障の仕組みや税制は州によって異なります。米国は国土が広く人口も多いです。国民への周知はもちろん、私の立場としてはアドバイスする側も制度理解が大変ではないでしょうか。


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年金制度モデル化の結果:アメリカ
・2063年に67歳から受給開始

相対的年金給付水準と所得代替率のグラフの形は日本とほぼ同じでした。


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ちなみに2018年7月の厚生労働省資料「諸外国の年金制度の動向について」にアメリカの記載があります。
p6,10,16,19,25,27,32あたりです。

 

次回、図表でみる世界の年金2019【第10章3/44】ドイツです。


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