高校生向け授業動画「高校生のための金融リテラシー講座」6本+教員向け動画2本を1つずつコメント入れながらご紹介します。
動画内で使われている資料もPowerPoint形式で公開されています。
高校向け 金融経済教育指導教材の公表について 金融庁 2022年3月17日まず最初に結論を書きます。
今回の動画はもうすでに社会人である大人こそ一度視聴すべきです。私の世代(40代中盤)はこういった内容を学ぶ機会がありませんでした。一言一句すべてを手放しでお勧めできる内容というものではありませんでしたが、全体として一度は触れておきたい超重要な内容です。基礎の基礎です。
計8本の動画について勝手ながらコメント入れます。日々相談をお受けしている立場からみた主観バリバリのコメントです。ご容赦ください。
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■1.
家計管理とライフプランニング~働いて稼ぐことと将来設計について(22分28秒)
-01.家計管理
-02.給与明細から手取り収入を把握
-03.(体験)スマホで家計管理シミュレーターを使ってみよう!
-04.生涯の収入と支出
-05.ライフプランニング
-06.多様な働き方(稼ぎ方)
-07.雇用形態による年収の違い
-08.人生の3大費用とは
-09.生涯の収支バランスのイメージ
-10.(体験)ライフプランシミュレーターを使ってみよう!
-11.まとめ(1章のポイント)

「ライフプランニング」
FP資格を使って日々FP相談をお受けしていますが、個人的に「ライフプランニング」という表現がしっくりきません。
(厳密にはFPがライフプランニング作成のお手伝いをするという部分かもしれません)
「働くことで夢を実現」は壮大すぎます。こういう表現って高校生にはどう映っているのでしょうか。

「人生の3大費用」
3大資金とか3大支出という表現が使われることもありますが、これも個人的に苦手です。
使う金額の総額でイメージさせるなら食費(外食費を含む)・水道光熱費・日用品費・自動車・趣味(旅行)などの項目も含めてもらいたいです。話をする側・金融商品をはじめとしたモノを売りたい側の都合よいカテゴリーだと感じます。

「生涯の収支バランス」
こっちには「生活費用」が教育・住宅・老後と並んで入ってますものね。
そもそも老後費用っておかしいです。老後だって「生活費用」ですよね。生活費以外の費用であるなら、医療費・介護費、趣味・娯楽・旅行などの書き方にしてもらいたいです。

「ライフプランシミュレーター」
シミュレーションですから淡々と項目を埋めることは大事です。
でも「結婚する、しないを選択」は高校生相手ですから取り扱いを慎重にと感じます。

「60歳」の意味・根拠がわかりませんでした。高校生からして生涯が遠すぎる未来なのはわかります。でも区切りで考えるなら老齢年金の支給開始年齢である「65歳」ではないでしょうか。
このシミュレーターをライフプランの区切りごとに使ってみてくださいという案内も入れてもらいたかったです。
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以降の2~6章が短いセンテンスなので、この1章は盛り込みすぎのように感じてしまいました。高校の授業で多くの回数(授業)確保は難しいとは思いますが、2回に分けてよく言われる1本10分程度以内に抑えたほうが良かったのではないでしょうか。
というように日々相談をお受けしている立場的には気になる点は挙げればキリがありません。昔の小姑的な感じになってしまってすみません。でもでも、高校生向けということになっていますが、こういった内容を学んだことのない大人・社会人こそぜひ受講を。
次回「
2.「使う」(7分36秒)」です。
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