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2020年の平均寿命・平均余命・生存割合


 2021年7月30日(金)に令和2年(2020年)の簡易生命表が厚生労働省より発表されました。

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 多く報道されるのは「平均寿命」です。0歳で生まれた赤ちゃんが平均して何年生きるのかをデータ化したものが平均寿命であり、言い替えると平均寿命とは0歳における「平均余命」です。

 女性の平均寿命は87.74歳
 男性の平均寿命は81.64歳
 令和元年(2019年)に比べて、それぞれ+0.29歳と+0.23歳です。

 この記録を確認しているのはこの10年ほどですが、例年の伸びは+0.1前後~0.1強です。今回一気に+0.2を超え、女性はほぼ+0.3です。


 2020年の大きな出来事は書くまでもないですが新型コロナです。年々下がってきていた肺炎による死亡の比率が感染対策がなされた結果また一段と大きく下がりました。
 これはリンク先の「死因分析」の図5「死因別死亡確率(主要死因)」でわかりますし、表7「特定死因を除去した場合の平均余命の延び(主要死因)の推移」では、いわゆる三大疾病であるがん・心疾患・脳血管疾患と比べても前年までと比較して大きな数値の変化を肺炎で確認することができます。

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 平均余命を見てみましょう。

■女性・60歳
 2018年 29.04 → 89歳0ヶ月
 2019年 29.17 → 89歳2ヶ月 1.0045倍
 2020年 29.46 → 89歳6ヶ月 1.0100倍

■女性・70歳
 2018年 20.10 → 90歳1ヶ月
 2019年 20.21 → 90歳3ヶ月 1.0055倍
 2020年 20.49 → 90歳6ヶ月 1.0139倍

■女性・80歳
 2018年 11.91 → 91歳11ヶ月
 2019年 12.01 → 92歳0ヶ月 1.0084倍
 2020年 12.28 → 92歳3ヶ月 1.0225倍

■女性・90歳
 2018年  5.66 → 95歳8ヶ月
 2019年  5.71 → 95歳9ヶ月 1.0088倍
 2020年  5.92 → 95歳11ヶ月 1.0368倍


■男性・60歳
 2018年 23.84 → 83歳10ヶ月
 2019年 23.97 → 84歳0ヶ月 1.0055倍
 2020年 24.21 → 84歳3ヶ月 1.0100倍

■男性・70歳
 2018年 15.84 → 85歳10ヶ月
 2019年 15.96 → 86歳0ヶ月 1.0076倍
 2020年 16.18 → 86歳2ヶ月 1.0138倍

■男性・80歳
 2018年  9.06 → 89歳1ヶ月
 2019年  9.18 → 89歳2ヶ月 1.0132倍
 2020年  9.42 → 89歳5ヶ月 1.0261倍

■男性・90歳
 2018年  4.33 → 94歳4ヶ月
 2019年  4.41 → 94歳5ヶ月 1.0185倍
 2020年  4.59 → 94歳7ヶ月 1.0408倍


 おわかりいただけますでしょうか。2018年と2019年を比べた場合と比較して、2019年と2020年を比べた場合は平均余命が大きく伸びていることを。異常な伸びではないでしょうか。それだけ人が亡くなりにくい(新型コロナ以外の感染対策が十分になされた)社会と言えるのではないでしょうか。

 また、2018年と2019年を比較した場合、女性98歳以上に限って平均余命は下がっていたんです。表現は難しいのですけれど、いわゆる長生きしすぎが適正化されていた(過剰な延命は選択されなくなった?)のではないかと感じていました。2020年は大きく回復し、98歳から103歳までは2018年の平均余命を超えています。

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 平均寿命では女性と男性で6.10歳差(2019年6.04歳差、2018年6.07歳差)がありますが、次のように平均余命の差はどんどん縮まります。
 ・60歳 5.25歳差(5.20歳差)
 ・70歳 4.31歳差(4.25歳差)
 ・80歳 2.86歳差(2.83歳差)
 ・90歳 1.33歳差(1.30歳差)

 「長生きをすればするほどに男性も女性と同じように長生きする」と読み取れますが、カッコ内2019年と比べると男女差は少し広がっています。年々縮まっていましたので、これも2020年に限った現象になるのかもしれません。

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 「生存割合」を見てみましょう。

 女性
 ・60歳 96.163(96.145)
 ・70歳 92.183(92.057)
 ・80歳 82.156(81.836)
 ・90歳 52.482(51.123)
 ・95歳 28.349(26.693)
 ・100歳 8.544( 7.373)

 男性
 ・60歳 93.248(93.233)
 ・70歳 84.257(84.071)
 ・80歳 64.567(64.189)
 ・90歳 28.363(27.177)
 ・95歳 11.125(10.118)
 ・100歳 2.297( 1.859)

 これも同じくカッコ内は2019年です。2020年は伸びてます。
 2分の1になるのは女性が90~91歳、男性が84~85歳。
 10分の1になるのは女性が99~100歳、男性が95~96歳。

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 生存割合の数値を逆から読み取ってみます。

・100人に1人がいなくなる
  女性40~41歳 男性31~32歳
・10人に1人がいなくなる
  女性73~74歳 男性64~65歳
・2人に1人がいなくなる
  女性90~91歳 男性84~85歳
・10人に1人になる
  女性99~100歳 男性95~96歳
・100人に1人になる
  女性104~105歳 男性101~102歳

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 これを確率で読み替えてみます。


 女性

 40歳くらいまでに亡くなってしまう
 と
 105歳くらいまで生きる
 が同じ

 70歳すぎまでに亡くなってしまう
 と
 100歳くらいまで生きる
 が同じ


 男性

 30歳すぎまでに亡くなってしまう
 と
 100歳超えるまで生きる
 が同じ

 65歳までに亡くなってしまう
 と
 95歳くらいまで生きる
 が同じ


 このように言えます。

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 将来の不安をあおる目的ではなく、将来のことばかりをいつも考えておく必要もなく、でも一度はさまざまに考えておきたいものだと専門家の端くれとして思う日々です。

 センセーショナルに報じられる話題に惑わされることなく適切に数字を知り、自分や家族のことに当てはめて考えることが大事だと思いますし、そのお手伝いをしていくのが京極・出町FP相談の役割だと考えています。


 <過去参照記事> 2019年の平均寿命・平均余命・生存割合


 念のために書いておきます。
 新型コロナが感染拡大しているとはいえ感染対策の結果として平均余命が伸びてるなら新型コロナに対策や自粛は必要ないと言いたいわけではありません。医師の方々の情報発信を見ていると、これほどまでに重症化した際の症状の重い感染症には適切な対応が必要だということです。適切な対応を続けなければ新型コロナ以外の病気・ケガへの医療供給がこれまでより脆弱になってしまう(しまっている)という事実です。
 過剰な不安をあおるスタンスは苦手ですし、逆にいわゆる反ワクチンと呼ばれる方々のようなスタンスには近づきたくありません。適切に情報をつかみ、まっとうな対応が引き続き求められているのだと感じる次第です。


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