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公的年金制度の理念・意義から【11】公的な保障は損得ではない


 一般社団法人 企業年金・個人年金教育者協会という団体のwebサイトに公的年金保険研究会というページがあり、すばらしい内容ですので1つずつご紹介しています。

 公的年金保険研究会

 前回はこちら → 【10】支える人はいずれ支えられる人になります
 第11回目もいつも通りいくつか抜粋して紹介しコメントを書きます。

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■公的年金制度の理念・意義から
11.公的年金が保険方式であることの意味と国庫負担投入の意味

・社会保障制度には、税を主な財源として給付やサービスを行う「福祉的な制度」 税方式と、社会保険料を徴収し給付を行う「社会保険制度」保険方式がある。公的年金保険は、「社会保険制度」(保険方式) p1

・保険方式では、保険料を支払った結果として給付を受ける「権利」を取得する。税方式の場合、税金は負担能力のある人から徴収する一方、給付やサービスは、本当に必用な人の必用なサービスに限って支給されること(支給制限)が多く、生活保護制度のように必要性の厳しいチェック(ミーンズテスト:資力調査)や所得制限が設けられることが多い p1

・世界的に見ても、公的年金は、国民の多くを貧困から防ぐ(「防貧機能」という)ことを目的として、一定水準の年金を支給することを目標として創設されるため、税方式ではなく、自ら保険料を納め、制度に貢献した貢献度合いに応じて給付を受け取るという「保険方式」(「社会保険方式」とも言うが好んで採用されている p2

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 シラバス11はA4サイズで7ページ分です。珍しくページ数が多いです。

 引用の1つめと2つめが理解を進めるうえでの最大の前提といえます。
 福祉と保険の違いを認識しておかないと議論も難しいです。テレビ・新聞・雑誌から発せられる情報にはこの視点が明らかに抜けています。

 p2-3に参考情報として掲載されている公的介護保険についても必読です。


 2つほどつっこみを。

・引用3つめの文末「好んで採用されている」。これ他の表現にしてもらいたかったです。
 好き嫌いじゃないです。論理的な結論として採用されているんです。

・p4最終行「損をしているのだということも理解できるだろう」。これも同じく他の表現にしてもらいたかったです。
 公的な保障は損得じゃないんです。実質的な損であることは間違いないんですけれど、損の反対は得です。保障で得をするって表現はおかしいんです。
 もっといえば国民年金保険料の免除の説明で老齢給付しか例に挙げないのはよろしくないです。障害年金・遺族年金も出さないといけません。障害年金・遺族年金の仕組みは初登場ではなく、これまでにも触れているわけですから言葉だけでも問題ないので尚更です。

 皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。


<過去参照記事>
社会保障教育のワークシート【発展】社会保障って何?
【社会保障ワークシート】社会保障の教育推進に関する検討会報告書

 次回はシラバス12.「公的年金の実質価値を保障する仕組みと給付水準を示す指標」です。


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