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公的年金制度の理念・意義から【02】「防貧」としての公的年金保険


 一般社団法人 企業年金・個人年金教育者協会という団体のwebサイトに公的年金保険研究会というページがあり、すばらしい内容ですので1つずつご紹介しています。

 公的年金保険研究会

 前回はこちら → 公的年金制度の理念・意義から【01】公的年金は「保険制度」であること
 第2回目もいつも通りいくつか抜粋して紹介しコメントを書きます。

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■公的年金制度の理念・意義から
02.「防貧」と「救貧」の違い、公的年金保険と生活保護との違い、生活保護制度の仕組み

・個人の力だけでは備えることに限界がある生活上のリスクに対して、幾世代にもわたる社会全体で助け合い、支えようとする仕組みが社会保障制度 p1

・社会保険があるために、様々な生活リスクに1人1人が対応したい目標が、手の届く範囲になる。そうした役割を果たす社会保険を、国民の自助を促すブースター と呼ぶ人もいる p2


・病気やケガ、失業など、貧困に陥る原因となる事故に対してあらかじめ備え、現実にこれらが発生してもそれによって生活困難に陥らないようにする「社会保険」は、貧困に陥ることを未然に防ぐ「防貧」の働きをしている p3

・「社会福祉」や「公的扶助」、「公衆衛生」は税金を主な財源として給付を行う 仕組みであり、国や地方公共団体の施策として、金銭やサービスが提供されている p3


・社会保障の機能・役割は主に3つ p3-4
 1.生活のリスクに対応し、生活の安定を図り、安心をもたらす「生活安定・向上機能」
 2.所得を個人や世帯の間で移転させることによって、生活の安定を図る「所得再分配機能」
 3.景気変動を緩和し、経済成長を支えていく「経済安定化機能」

・「救貧」機能は、生活保護制度により、「防貧」機能によっても貧困を免れない国民に最低限の生活保障を行っている。具体的には、社会保険によっても最低限の生活を送れない国民に対し、生活扶助・住宅扶助などの現金給付や、医療扶助などの現物給付を行っている p4

・日本の公的年金保険制度は、現役世代全員で拠出した保険料を仕送りのようにそのときの高齢者などに給付する仕組み(これを賦課方式という)であり、こうした予測できないリスクに対して世代を超えた社会全体で事前に備えるもの p6

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 シラバス02はA4サイズで7ページ分です。
 4ページ目の最後から、いわゆる「自助・共助・公助」の解説もあります。

 第2回目のポイントは、貧困に陥るのを防ぐ「防貧」と貧困から救う「救貧」。公的年金保険は「防貧」の役割です。防貧機能があるのは公的年金保険だけでなく、その他の社会保険、公的医療保険(健康保険)・公的介護保険・雇用保険・労災保険です。
 公的年金保険だけ「保険」と認識してもらいにくいので、こうして社会保険の1つとして並べると理解してもらいやすいです。公的年金保険は社会保険の1つであり、社会保障の1つです。


 これから何度も同じことを書いてしまうと思いますけれど、公的年金保険をまっとうに理解できていない人が多いのは、テレビ・新聞・雑誌などの報道および野党の方々のせいだと思っています。
 もちろん国や厚生労働省がきちんと広報できていなかったり、社会などの教科書でも正しく説明されていなかったり、教授と肩書がついているような立場の専門家でも本気で誤って理解しておられることもあるので、なかなか悩ましい問題です。

 きちんと伝えようとすると長文になってしまい、不安をあおるのは何て簡単なんだと気が滅入ります。ちなみに私自身も普通に会社員をしていた十数年前までは知りませんでしたし、FP資格を取得して最初は知りませんでした。なので、知らない人が多いのは仕方のないことだと理解しています。ただし、仕方がないのは普通の会社員・自営業者の方々です。
 関わる立場の人たちが知らないのはまずいです。こうして地道に発信していることで、1人でも「大丈夫な仕組みなのね」と思っていただければ本当に嬉しいです。
 皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
 

 次回はシラバス03.「公的年金保険は、就労に促進的な制度」です。


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