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”お金は寝かせて増やしなさい”読みました。


 ”お金は寝かせて増やしなさい ~インデックス投資の入り口から出口戦略まで一挙解説!~”(2017年12月18日 第1刷発行)を読みました。

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 著者はインデックス投資ブロガーの水瀬ケンイチさん(ハンドルネーム)。ツイッターはこちら

 水瀬さんとはツイッターで交流があります。


 3月9日に新聞広告を見かけましたのでお伝えしたところ、ブログ記事でも使ってくださいました。
 新聞広告掲載で、株式投資・投資信託カテゴリ ベストセラー1位に返り咲き

 水瀬さんは資産運用に関して超専門家の域に達しておられるのは間違いないですが、普通の会社員さんです。残念ながらお会いしたことはありません。いずれどこかでお会いできる機会もあると思っています。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■プロローグ 私がたどり着いた「寝かせてお金を増やす方法」

・インデックス投資の長期実践者が少ないのはなぜ? p12~

■エピローグ 寝かせて増やすことはつまり人の未来を信じるということ


 私が投資信託と出会ったのはFP3級資格を取得してメーカーを退職し、厚生年金基金を当時の個人型DC(確定拠出年金:現iDeCo)へ引き継ぐ手続きを進めたとき、2007年の夏~秋です。
 iDeCo以外、証券会社で直接インデックスを買い始めたのは2008年の冬~春。ただし、当時は今に比べるとかなり少額でした。今となってはあの時から今と同じくらいの額で積み立てをしてればなーという感想です。

 早いもので私も10年経験者です。だからこそ相談対応でもお伝えできることが多いと思っています。


 そして、多くの本にも言えることなのですが、プロローグの後すぐにエピローグも読んでから本文に入ることをお勧めしたいです。読み進めるにあたっての強い動機付けになると感じることが多いからです。


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■第1章 金融のど素人でもプロと互角以上に叩ける「インデックス投資」

・すぐに大儲けできない p38~
・アクティブファンドのほとんどがインデックスに勝てない皮肉な現実 p41~
・いざ始めてしまえば、やることはほとんどない! p48~
・なぜ、銀行や証券会社はインデックス投資をすすめないのか? p50~


 興味を引くうまい項目のタイトルだと感じます。いくら内容が良くても、ここがあんまりだとこれだけ多くの方々が手に取ることはないと思います。僭越ながらすばらしいです。


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■第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法

・インデックス投資を始める前に最低限しなくてはいけないこと p56~
・インデックス投資でいちばん大切なのは自分のリスク許容度を知ること p64~

・あとはひたすら積み立てて寝かせて増やすだけ! p110~
・楽ちんだけど、年に1回だけやった方がいいこと「リバランス」 p112~


 この章にはファイナンシャルプランナー(FP)の名称が出てきます。
 2つ引用します。

節約は本書の主旨ではないので、そこはファイナンシャル・プランナーなどの節約のプロにお任せしたいと思います

 p57

ファイナンシャル・プランナーやロボ・アドバイザーが「あなたの最適なポートフォリオを提案します」と契約を迫ってくるかもしれませんが、あまり期待できません

 p65

 1つめは何とも言えない難しいところです。
 生活に関わるお金の相談を受けていますので、さまざまな家庭・家計を目にします。その経験から確かに節約ポイントのような視点は生まれます。でも、FPの本筋はそこじゃないんです。
 <過去参照コラム> ファイナンシャルプランナー(FP)の役割とは
 ファイナンシャルプランナーは節約アドバイザーではありません。

 2つめはFPというよりも厳密にはIFA(証券会社の代理店)かなと感じます。
 <過去参照記事> 違うという事実なんです。
 IFAの方々もFP資格を持っていればFPと名乗りますから一般にはその区別はつきません。はぁ…悩ましいです。


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■第3章 おすすめの金融機関&口座開設の手順と気になるNISAとiDeCo

・iDeCo(個人型確定拠出年金)はあくまでも「年金」であることを忘れずに! p141~


 水瀬さんは将来資金という意味において「年金」と略されていると読み取りました。本文中にも出てきていますが、世の中にあふれている「私的年金」という用語の存在が悪だと私は思っています。

 「年金」という用語には「分割して受け取る」という意味しかありません。
 「公的年金」は保障の仕組みです。
 <過去参照コラム> 年金という用語は公的年金保険だけに使って欲しい
 <参照ブログカテゴリ> ねんきん

 また、iDeCoは分割受け取りだけでなく、一時金受け取りも選べます。
 確定拠出年金との名称ではありますが、私の立場としましては「年金」ではなく「自分で作る将来資金」です。
 <過去参照コラム> 掛金全額所得控除のものすごさ 自分でつくる将来資金!個人型確定拠出年金セミナー

 皆さま(誰?)、よろしくお願いいたします。 


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■第4章 始めるのはカンタンだけど続けるのは意外と難しい

・損益で一喜一憂する凡人から抜け出そう! p148
・相場が暴落したらどうすんのよ!? p171~
・相場が好調なときにこそ「リスク許容度の確認」をすべし! p173~


 刺激的な項目タイトルです。
 この章の内容は本当にたいせつです。


 これです。大事です。


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■第5章 涙と苦労のインデックス投資家15年実践記

・2004年 ロクなインデックスファンドがなかった時代 p208~
・2008年 ガー(;゚Д゚)ーン!! まさかの大暴落! p216~
・2009年 まさかのV字回復! キター(゚∀゚)-!! p222~


 すごいです。歴史書です。
 つみたて投資を始めている人、始めようとしている方々はこれから先に相場の低迷や大暴落があったとき、この章を読み返すことで売却せずに踏みとどまれると思います。繰り返します。すごいです。
 

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■第6章 貴重情報! インデックス投資の終わらせかた

・インデックス投資の出口戦略③「必要になったら必要な分だけ取り崩す」 p257~


 第2章で2ページだけ取り上げられているリバランスも、ページ数を増やしてこちらで触れてもらいたかったというのが個人的な要望です。


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■購入者特典
 国内インデックス投資黎明期の嘘偽りなしの黒歴史!(PDF)


 この数年のコスト競争には驚きを通り越して驚愕です。

 私は2008年以前を経験していません。いわゆる「昔が良かった」の反対で、「今のほうが(圧倒的に)恵まれている」を疑似体験できます。必読です。


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 出版社で特設サイトもできていました。
 『お金は寝かせて増やしなさい』特設ページ
 プロローグやマンガ(コミック)の冒頭も読めます。


 将来に向けてコツコツと資産形成していくにあたり、この本をきちんと読み込めて内容をおおよそ理解できて実践できる方々は、金融機関や代理店(IFA)はもちろん、資産運用アドバイスに特化したFPのアドバイスは不要とさえ言い切れるほどの存在です。

 私のポジショントークとして、資産運用に特化した専門家ではなく、公的年金をはじめとした社会保険(社会保障)に明るかったり、住宅ローン・生命保険や家計管理、そして相続に至るまで「生活に関わるお金の話」を総合的にアドバイスできるFPの役割には影響ないと安心しました。

 
 表紙にも使われているイラストと同じ、背表紙を外したときに出てきたお金が寝ているイラストも良い感じでした。

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 水瀬さんの本は以前にも感想を書かせていただきましたのでご紹介します。
 ””全面改訂ほったらかし投資術”読みました。

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


<追記>
 この本は2018年4月21日に開催されました金融庁主催のイベント「つみたてNISAフェスティバル2018」の企画「はじめての投資!おススメの一冊ベスト10」で第1位に輝かれました。おめでとうございます!

<2018年10月20日 追記>
 著者の水瀬ケンイチさんがご自身のブログで、この感想記事をご紹介くださいました。


 水瀬さん、ありがとうございます!


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