日々相談をお受けする中で、時々お聞かせいただく内容があります。
「(伊藤さんは)これだけ知識があれば、たくさん得しそうですし、資産運用でも儲けられそうですよね」
直球でこういった表現になるかどうかは別ですが、意味合いはこんな感じです。
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まず前者の「たくさん得しそう」。
結果的に「お得」につながるかもしれませんが、どちらかと言えば「損しない」または「損しにくい」という表現が適しているように思います。
有料相談で家族を養っている立場の専門家として「私程度の知識で」と下に出るつもりはありませんけれど、残念ながら私が持っている情報が日本で唯一とか他の誰にもマネできないというようなものではありません(すみません)。
基本的に裏技は好きではありません。基礎を忠実に、マイナス面を排除するスタンスが私の大方針ですので、仮に私がいなくなっても継続していただけるシンプルな考え方をお伝えしています。
もう一度書きます。このシンプルなスタンスが結果的に「お得」なように見えるかもしれませんが、大前提は「損をしにくい」考え方であるとお伝えしたいです。
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次に後者の「資産運用で儲けられそう」。
残念ながら私は投資や運用のプロではありません。とはいえ、投資や運用の考え方が根付いていない日本においてはそれなりに知識や知恵を持っているつもりです。前者と同じく、できるだけ「損をしにくい」スタンスであるのは同じです。
特に資産運用においては「儲けてやろう」「資産を運用で何倍に!」というよりも、分散や管理の面が強いです。
マイナス金利政策の影響で金利が極端に低いとはいえ、普通預金や定期預金が嫌いなわけではありませんし、唖然としてしまうような投資性商品をつかんでしまわれることに比べれば普通預金や定期預金だけという方々でも特に問題ないと思っています。
ただ私は遠い将来を考えると、普通預金や定期預金の行きつく先である日本の国債だけへの一極集中投資ではなく、さまざまな場所、さまざまな投資先に自分や家族のお金を置いておきたいと考えているだけです。
結果として普通預金や定期預金よりも増えていれば嬉しいことですが、こればかりは将来になってみないと何ともわかりません。ただ、今の方針を継続することができれば過去の統計データからはおそらく普通預金や定期預金よりも増えているはずです。
私には住宅ローンなどの借り入れはありませんが、おかげさまで11歳を筆頭に9歳5歳の子どもたちがいます。教育費の確保も必要ですから、預貯金全体で考えればそれほど大きな割合を投資・運用にまわしているわけではありません。
また、基本的に遠い将来を見据えての分散や管理の方針を(ゆるく)徹底していますので、まとまったお金を一気に動かす一括投資ではなく毎月の積み立て投資がベースです。これは相場を見ての日々のやり取りではなく、自動的に毎月購入されている仕組みなのでタイミングも何もあったものではありません。(もちろんこんな仕事をしていますので、一部例外はあります)
でも、それで良いと思っています。私には家族との時間があり、こうして皆さんと接する仕事があり、地域とのかかわりがあり、自分の時間も(今はほとんどありませんが)ある程度持ちたいです。
買ったり売ったりするタイミングを図るために相場の情報を常にチェックする時間の確保は優先順位が高くありませんし、そういった相談をご依頼いただいてもご期待にお応えできる体制にありません。もちろん相場の情報を常にチェックするスタンスの方々を否定するつもりはありませんし、あくまでも考え方が違うというだけです。
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人生は長いです。投資や運用はお金をたくさん持っている人だけの領域ではありません。遠い将来を見据え、分散や管理としての投資や運用は誰にとっても重要で、接したタイミングが早ければ早いほど良いです。
ただし、必ず守っていただきたいことが1つだけあります。よくわからないもの、家族やたいせつな人に説明できないようなものには絶対に手を出さない。これだけは本当にお願いしたいです。
こんな私ではありますが、お役に立てる機会がありそうでしたら嬉しいです。
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