”生命保険は「入るほど損」?! ~検討すべき商品はたったの3本!~”(2015年11月21日第1刷)を読みました。
著者は
保険相談室 代表の後田亨さん。
ブログは
こちらです。

※ 左は自分で買った分、右は著者の後田さんよりお送りいただいてしまった分です。
まず始めに書いておきます。後田さんとは友人(すみません!)ですので、ひいき目があります。ご承知おきのうえ以降をお読みください。
いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。
----------
■第1章 「医療保険」はギャンブルより不利な賭け?
■第2章 「がん保険」は宝くじより不利?
■第3章 損が大きい?「貯蓄性」がある保険
・お客様が「医療保険」を解約した理由 p49~
・入院経験者には、確率の問題ではなく「100%の事実」だが p57~
・宝くじで備えるほうが安心? p75~
後田さんの文章をしっかり読んでいただくと必ず気づいてもらえると思います。一文一文の表現が非常に独特でありこだわりがあり、配慮があります。本文中にもありますが、「感情」で書かれているのではありません。具体的な「理屈」を突き詰めておられるんです。
ですので例えば、「自分には当てはまらない」「自分に近しい〇〇さんはそうではなかった」ということではなく、考え方を知るための視点で読んでいただきたいです。
-----
■第4章 保険会社は「贅沢」し過ぎ?
■第5章 「セールストーク」「CM」「キャッチコピー」のツッコミどころ
・「持病があっても入れる保険です」 p138~
・「いつもの銀行で『保険のプロ』に相談してみませんか」 p144~
「真のプロフェッショナル」の教育担当者からヒアリングされた内容が衝撃的です。私もいつも書きますが、「保険販売のプロ」が良いとか悪いとかではありません。あなたの保険の担当者である人がどういった立場でアドバイスをしてくれているのかを把握しておくことこそが、あなたの将来を考えるうえで適切な選択肢を得るためにたいせつなことだと思います。
繰り返します。すべての事象を良いものと悪いものに二分できるほど単純なことではないと私は考えます。
-----
■第6章 「おいしい客」になっていませんか?
■第7章 「(余計な)損をしない」保険活用法(実践編)
・「儲」という字は信者に似てる!「布教家」タイプ p167~
・Q 誰に相談したらいいのでしょうか? p180~
・お金が貯まる人の特徴 p190~
「使命・信念・涙・感化」まさにその通りだと感じる言葉が並びます。皮肉や悪意はありません。純粋にその道を邁進しておられる方々はそれはもうすごい存在です。一歩間違えば誰しもその域に踏み入れてしまうと思います。これもまた選択肢です。
p180からの3ページは「まさに!」の部分です。無料相談と有料相談のメリットとデメリットがしっかり書かれています。たくさんの人に読んでもらいたい部分ですし、私も「独立系のファイナンシャルプランナー(FP)」と自称している方々には注意が必要だと感じることがあります。個人的に、私自身としては「独立系FP」ではなく「開業FP」という表現がしっくりきています。
------
■第8章 「検討に値する保険」は3本だけ?
・死亡保険(収入保障保険・定期保険・団体保険) p200~
私のイチオシはここです。なぜなら私がデータ提供した遺族年金に関する資料が1ページを独占しているからです。資料の注釈文章も一言一句そのまま掲載されていましたので、本当に自分の本のように嬉しいです。
本には
・男性会社員(厚生年金の被保険者)
・女性会社員(厚生年金の被保険者)
この2パターンが掲載されていますが、実際には
・男性自営業者(国民年金の被保険者)
・女性自営業者(国民年金の被保険者)
・母子家庭・父子家庭(厚生年金の被保険者)
・母子家庭・父子家庭(国民年金の被保険者)
この4パターンを加えた計6パターンの遺族年金資料を作成し、提出しています。
当然ながら紙幅の関係がありますので、なかなか難しいものです。
なお、本文中やあとがきには私の名前は出ていません。掲載されるかどうかは後田さんにお任せしましたし、掲載されるとしても名前や屋号は伏せて欲しいと依頼していました。代わりに、
後田さんのblogにて「知人」として登場しています。後田さん、ご配慮に感謝を申し上げます。
書いて欲しくないのにblogで書いているのはどういう意図かと思われることもあるかと思います。以前、東洋経済に匿名で掲載されたときと同じです。私のことを知ってくださっている人が今回の内容を知ってくださるのは問題ありません。私のことを知らない人が私のことを知ってくださるきっかけとして本や雑誌になってしまうのは望むところではありません。もう少し踏み込んだ内容を
東洋経済掲載のブログ記事で書いていますので、よろしければぜひです。
------
■まえがき
■序章 損をしやすい保険の仕組み
■終章 「手強い客」になろう
■あとがき
後田さんからは「伊藤さんには特に序章とあとがきを読んでほしい」と言われていました。
一文だけ引用します。
・(生命保険は)必要最小限の利用にとどめることが、余計な損をしないための鉄則です。 p25
主旨はこれなのです。本のタイトルはいわゆる「あおり系」ですが、後田さんも生命保険の仕組みをすべて否定されているわけではありません。必要なものは必要なんです。ただし、必要なものを準備するにあたって妥当な商品が世の中に少ないという実際をなぜなのかと明らかにしたいという探究心と「仮説を立てて物事を見てみる(p237)」を実践されているのです。このスタンスを私は大応援しています。(えらそうにすみません)
----------
後田さんの別の本の感想を書いた時の私自身の文章を引用します。
「後田さんの本を読んだからと言って、自分や家族に合った保険加入の方法がつかめるわけではありません。自分や家族に合った保険加入の方法をつかむためのヒントがちりばめられているわけです。」
このヒントは生命保険に限ったことではないと感じます。
生活していくうえでの視点を得られる本だと思っています。
2016年2月12日時点で、「3刷」が決まったと書かれていました。おめでとうございます!!
後田さんの本の感想は何本か書いています。
・
”保険会社が知られたくない生保の話~保険嫌いは意外に正しい~”読みました。 ・
”保険外交員も実は知らない生保の話~「お得な保険」なんて、存在しない~”読みました。 参考になりましたら幸いです。
長文をお読みくださり、ありがとうございました。
コメント