”保険会社が知られたくない生保の話~保険嫌いは意外に正しい~”(2013年10月8日第1刷)を読みました。著者は
オフィスバトン「
保険相談室」代表の後田亨さん。ブログは
こちら。
この本は日本経済新聞の電子版で連載されている「
保険会社が言わないホントの保険の話」の第一弾として書籍化されたものです。
このblogでは第二弾の感想を先に書いています。
”保険外交員も実は知らない生保の話~「お得な保険」なんて、存在しない~”読みました。 後田さん、いつもありがとうございます。1年も経ってからの感想で申し訳ありません…。
いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。
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■まえがき
■第1章 「日帰り入院」保障などいらない
■第2章 テレビでオンエアされないホントの保険の話
■第3章 保険は広く入らない・長く入らない
■第4章 大手生保の管理職が入っていた保険
■第5章 「先進医療特約」高額の給付は1万人に1人?
■第6章 「資産形成」向け保険、銀行員やFPも言わない決定的なデメリット
■第7章 数少ない「おすすめ」の保険は?
・(前略)正直、消費者の目線がいつも正しいとも思えません。「担当者を信じていたのにだまされた」などと言う人には、「ご自身でサインをして契約を結んでいながら、困った時は全部他人のせいですか?」と言いたくなることもあるのです。 p6
第二弾でも言及されている内容です。後田さんは確かに現在の保険商品の多くに否定的な情報を発信されています。私も同意できる部分が多いです。
たいせつなのは単に生産者(保険会社)と販売者(営業担当)につっこんでおられるだけではないんです。結局はそれを買う(契約する)消費者がたくさんすぎるほど存在するから変わらないんです。
私がFP講座で取り上げている話題を挙げます。
金融商品販売法と言う消費者を守る仕組みがあります。簡単に書くと、元本割れなどの重要事項をしっかりと説明されていなかった場合に元本割れ部分の損害賠償を認めるというものです。
仕組債という複雑な金融商品があります。仕組債の解説はしませんが、大学や自治体などが有利な運用商品として主に証券会社から勧められ、まとまった額を投じていたようです。
そして数年前までの株安・デフレにより大きく元本を下回る運用成績となり、「聞いてなかった」「説明を受けていなかった」「損害を補償せよ」と次々と裁判に訴えました。
裁判が確定して賠償が確定したものもいくつかあったようですが、そうこうしているうちに政権が変わりアベノミクス相場により元本を大きく上回る収益が発生したんです。結果、自治体や大学は裁判を取り下げました。
言葉を選ばないといけませんが、ジャイアン風に書くと「俺の得は俺のおかげ、俺の損はお前のせい」。
後田さんの文章を改めて引用します。
「ご自身でサインをして契約を結んでいながら、困った時は全部他人のせいですか?」
個人と法人(団体)は違いと感じられることはあるかもしれません。でも根本は同じです。ご自身の契約はご自身の責任であることもしっかりと把握しておいていただきたいです。
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■第8章 保険ビンボーを避ける3つの方法
■第9章 保険販売員は売ったらほとんど退社する
■終章 「相互扶助」の仕組みを利用するとき、心がけたい3つのこと
・FPへの保険相談、痛い目に遭わない見分け方 p181~
シンプルに5ページでまとまっています。
私の主張は次の2つのコラムにまとめています。
・
ファイナンシャルプランナー(FP)へ相談する際に注意したいこと、確認すべきこと。 ・
生命保険の有料相談と無料相談 丸投げですみません。
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■あとがき
・携帯端末やパソコンで「検索」をかけると、「知らないこと」や「わからないこと」について即答が得られやすい時代です。ただ私は「自分なりの答」を探すのが好きです。 p221
後田さんの本は確かに生命保険がお題になっています。でも、その視点は生命保険以外の話にも通じます。その他の金融商品と接するときや、日常の見方・見え方にも新たな視点が加わると思うんです。生命保険には興味ないからと思わず、手に取ってもらいたいとお伝えしたいです。
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もう時効なので書いていいかなと勝手に判断して書いておきます。
今年の夏、関東へ出張しました際に後田さんの自宅をお邪魔してまいりました。このblogでは初めて書きます。
いつもは仕事の話1~2割、その他の話8~9割なのですが、今回は
こちらの裏話(?)や私の思うところなどから、かなり踏み込んで深すぎる話、細かすぎる話を激論(?)してきました。
保険の話に特化して活動されている後田さん、FPとしてさまざまな相談の中から出てくる保険の話に関わる私。
売り手側からだけの一方的で限定的な情報しか発信されない現状に疑問を感じるというスタンスは同じだと思っています。かなり年下の私がこんなことを書かせてもらうのは恐縮なのですが、ほんま楽しい仲間です。感謝です。
長文を読んでいただいてありがとうございました。
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