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”保険外交員も実は知らない生保の話~「お得な保険」なんて、存在しない~”読みました。


 ”保険外交員も実は知らない生保の話~「お得な保険」なんて、存在しない~”(2014年6月9日第1刷)を読みました。著者は一般社団法人バトン保険相談室」代表の後田亨さん。ブログはこちら

 この本は日本経済新聞の電子版で連載されている「保険会社が言わないホントの保険の話」を最新の情報に更新し、書き下ろしの内容も含めて書籍化されたものです。後田さんとも初めてお会いしてから4年が経ちました。新著を出されるときはありがたいことに送ってくださっていまして、今回は直筆のコメント付きでした。これには驚きました^^
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 後田さん、いつもありがとうございます!

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■まえがき
■第1章 保険は「お守り」代わりではない
■第2章 「老後が不安=保険が必要」得するのは誰だ
■第3章 徹底検証!商品の実力[保障編]
■第4章 徹底検証!商品の実力[貯蓄編]

・特に思うのは、保険を「不安」や「安心」といった言葉を切り口に考えるのは間違いではないかということです。キーワードは「ふさわしさ」だと思います。(p5)

 
 後田さんの文章はいつも正論です。ゆえに批判的な意見を受けられることも多いと聞いていますし、実際にインターネットにおいてはさまざま方々がおられますが、そういった方々は非常に感情的というのでしょうか。論理的な批判になっていないように私は感じます。
 でもそれこそが、まさに業界を表しているのではないでしょうか。答えは営業マンが示してくれるのではありません。消費者である私たち自身が答えを導き出さなければなりません。

 p58図表5「もっと細かな項目別に給付金の支払い実績が開示されるのが望ましい」はまさにそのとおりだと思います(説明はp56にあります)。個人的に左3つは常々感じていることであり、正直に書いて右3つはあまり興味をもっていませんでした。
 後田さんがまえがきで書かれているように、保険が「相互扶助」の仕組みであるなら給付の実績が明らかにされているほうが親切だという考え方にも大賛成です。

 保険は相互扶助の考え方に乗っ取っているが、保険商品はその限りではない。
 私にはそんなふうに見えます。

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■第5章 現時点でのおすすめ商品はこれだ!
■第6章 「保険なんて必要ない」CMに見るお金の心理学
■第7章 「付き合い」契約を考える

・見直しは「有料相談」で(p123~)
 私自身が収入源のひとつにしていることなので、割り引いて受け取ってもらって構いませんが、無料相談窓口などを利用すると、必要最低限の保険活用は難しくなると思います。(p124)

・消費者が「良いプロ」を見抜くのは至難の業です。プロに頼らなくても理解できる商品やサービスに絞って検討すればいいのではないでしょうか。(p149)

・「保険相談」誰を信じたらいいのか?(p164~)
 「誰を信じたらいいのか」という問いには、判断が難しいことは信頼できる人に任せたいという願望が混じっています。しかし、一般の消費者にとって相談相手が本当に信頼できる人物であるかどうかを見抜くのは、実は保険のよしあしを見定める以上に難しいことなのではないでしょうか。(p167)


 保険相談において気をつけたいことを抜粋してみました。特にp164~の部分は引用したところ以外も「まさに!」です。

 以前は保険会社の肩書を持った営業担当者さんしかいなかったわけです。今は銀行の窓口や担当者の方々、公平中立をうたう無料相談の窓口、ファイナンシャルプランナー(FP)をうたう保険営業の方々。もう一般の消費者にとって何がなんやらわからないのではないでしょうか。そうなると結局は「人」が判断材料ではないでしょうか。この人は信頼できる人だ、この人が言うのだったら間違いない。その考え方が悪いとは思いません。
 私がいつも感じるのは複数の意見を聞いてみてもらいたいということ。後田さんもp167で書かれています。「いわば病院でいう「セカンドオピニオン」を求めるやり方」これに尽きると思います。

 そして、私のポジショントークとしてはセカンドオピニオンは「有料相談」をお勧めしたいです。必要最低限の考え方を知っていただける機会になると信じています。

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■第8章 筆者が保険に入っていない理由
■第9章 残念な消費者とは
■終章 最強の素人が保険を変える

・「『さ行』の相づちを打つだけで、大半の商談がまとめられる」(中略)こう豪語する担当者がいました。「さすがですね」「知りませんでした」「すごいです」「正解です」「その通りです」のことを指しています。自分の考え方に同意してもらって気分を悪くするお客様はいませんから、こうした相づちで聞き役に徹し、好感度を高めていたのです。(p202)

・誤解してほしくないのですが、私は無料相談を全面的に否定したいわけではありません。利用するにあたっては一定の心構えが求められると思うのです。(p207)

・と、このように書くと保険会社ばかりが悪いようです。しかし私は、半分くらいは消費者にも責任があると思っています。著しく透明性に欠ける高額商品が通用するのは、情報開示の必要性や価格の妥当性を問わない人たちがいるからです。率直に言って、大半の消費者は、保険について「自分なりに考えてみる」ことを怠ってきたのだと思います。(p216)


 私が後田さんのことを大好きな理由の1つが、こうして消費者側にも求めていることです。私もFP資格を取るまでは勧められままに大手国内生命保険会社の商品に加入していました。大手国内生命保険会社の商品が良くないという話ではありません。何も考えていなかった私が悪かったという話です。今となってはよくよく理解できます。

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 連載書籍化の第一弾であった「保険会社が知られたくない生保の話」(2013年10月8日第1刷)の感想も早く書かねばなりません。もう1年です…後田さん、すみません。

 最後に。後田さんの本を読んだからと言って、自分や家族に合った保険加入の方法がつかめるわけではありません。自分や家族に合った保険加入の方法をつかむためのヒントがちりばめられているわけです。
 保険に詳しくなりましょうという話でもありません。保険の提案を受けるとき、FPに相談するときに、その内容は妥当なのか、自分や家族に適しているのかを判断できるようになれるものと思います。また、保険に限らず「視点」の広がりを求めている人にもお勧めです。
 

 長文を読んでいただいてありがとうございました。


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